by Yago Aznar family, Lécera
ガルナッチャ本家の心に響き渡る交響曲、砂漠と情熱のナチュラルワイン物語。
乾燥を極める半砂漠テロワール
1920年生まれの創業者アントニオは今も現役。
アントニオとポーラ
3代目ビクター
ボデガス・テンポレは、サラゴサから南南東へ60kmのバホ・アラゴンIGPに位置するレセラという小さな町にあります。
カリニェナへは西に30km。レセラは、伝統的にワインの名産地であり、凝縮した葡萄が造られている絶好のテロワール。
創業者のアントニオ・アズナーが1920年にレセラで産声をあげる。
16才の時にスペイン内戦の兵士として徴兵され、20才の時にレセラに帰郷。
荒れ果ててしまったレセラの復興に全勢力をあげ28haの葡萄園にガルナッチャの樹を植えていった。
1946年に長男マニュエル・ヤゴ・アズナー生誕。
マニュエルの時代にはレセラの地において、リーダーとして君臨して行く。
この半砂漠乾燥地帯、シエルソと言うピレネーからの冷たい乾燥した風が吹くレセラ。ガルナッチャはここアラゴンで産まれた葡萄。この地のガルナッチャは明らかに他の地域のガルナッチャとは別物で、ずば抜けた葡萄だと確信していたマニュエルは、更に葡萄園を70haに拡大。
有機農法を習得し1990年代に入ると全ての葡萄園を有機栽培に転換して行った。
ここでも、植えられていった葡萄はガルナッチャだけと言う、ガルナッチャに取り付かれたように発祥葡萄ガルナッチャ専門の農園へと突き進んでいった。
2000年にマニュエルの息子ビクターと娘ポーラによりボデガス・テンポレを創業開始。
2008年に100%オーガニック認証を取得し、すべてのワインにヴィーガン認証も取得している。
造りをビオデナミック農法に転換、亜硫酸無添加のヴァンナチュール「シンフォニー」をリリースするなど創業者アントニオ・アズナーによって植えられた樹は特別な自然のナチュラルワインへと進化を遂げている。
現在は、海抜550m~700mの平野部に120haの葡萄畑を所有。
28haは樹齢75年の古木で、ブッシュ・ヴァイン(自根)。
42haは樹齢約45年の古木で、ブッシュとトレリスの両方がある。
50haは2000年以降の新しい植樹で、すべて棚に植えられており、4回目の収穫から生産性を発揮しています。
創業者のアントニオ・アズナーは今もレセラで生活していて、創業からの3世代がワイナリーに携わっています。
TEMPORE
由来は農業に使われる言葉で、土地に働きかけるための正確で適切な瞬間を示す。
植え付けや農作業に最適な湿度や働き、時間を意味する。
葡萄が適切に成長し熟すための畑での時間、ワイン製造プロセスとワインの醸造のためのセラーでの時間、オーク樽での熟成のための時間、そして完璧な瞬間が訪れるまでのボトルの中での時間の意味が含まれる。
収穫は、手作業で早朝午前4時に作業を開始し、真昼の強い日差しの前に作業を終了。
現在120haのうち、「ガルナッチャ 67ha」「ガルナッチャ・ブランカ 28ha」その他はアッサンブラージュ用「テンプラニーリョ」の3品種のみ。
土壌は石、砂利、粘土、石灰岩、砂。1haあたり37hlと極めて非効率な収量。
ガルナッチャはここで産まれ、
世界に広がっていった!!
Bodegas TeMpore
- テンポレ -
Winemaker
ワインメーカーはポーラの夫エドワルド・アリーニョ。
20年間の自然派ワインの豊富な実績を持つ醸造家。
剪定、発芽や開花、葡萄や土の状態管理の一切を負う。
Enologist
エノロジストは自然醸造の専門家兼修士のホセ・フェンテ。
経歴書では2ページに渡り公認テスターや各DO委員会、理事、修士号、研究実績や開発実績が報告され、ここでは書き切れない程の実績のある自然派のスペシャリスト。
ヴォガジャパン
ポートフォリオワインは2ワイン
Symphony Garnacha
Vin Nature Organic
Symphony Blanco
Vin Nature Organic
ボデガス・テンポレの最高にして最強の完全無欠のナチュラルワイン「シンフォニー」をエクスクルーシブで輸入。
もちろんテンポレのワインの種類は沢山ある。
最近のバイイングでは、各ワイナリーの最高のワインだけを買い付ける、いわゆる「いいとこどり」のスタイルが主流だ。
シャンパーニュでも、シャブリでも、業界では考えられない、いいとこどりの買い付けをしている。
わがままが過ぎると思われても仕方ないが、とんがった、特別に飛びぬけたワインしか我々には興味がない。
亜硫酸無添加の完全なる無添加ビオデナミックワイン。
この地で産まれた名産の特別なガルナッチャ、特別な過酷を極めるテロワール。
この味わいの特別性は、プロのテスターでなくても容易に明確な違いを瞬時に感じる事が出来る。
亜硫酸を使わない事が、これほどまでにワインに好影響を与えたワインは例が無い。
亜硫酸を含む、全ての添加物を使用しない純粋な色合いとアロマ。
ストレスの一切を感じさせない、滑らかに口に入る自然さ。
味わいは葡萄そのもので、棘が無く、実に滑らかでふっくらして優しい飲み口。
フィニッシュは葡萄ジュースを飲んだかの様なジューシーな余韻。
特に白ワインはワイン人生で初の領域となる程の、半端ないジューシーさを体験した。
もちろん赤も、ずば抜けている。
通常のワインでは発酵中に副産されるフリーSO2亜硫酸は30mg前後。
無添加ワインでも30mgの亜硫酸はあるのが普通だが
葡萄のまま、葡萄にある酵母を使い、ギリギリの低温でゆっくりと発酵する事から
シンフォニーの赤ワインには1.5mgの亜硫酸、
シンフォニーの白ワインには6mgの亜硫酸しか検出されない。
手摘み、SHCオーガニック認定、ヴィーガン認定で、ビオデナミックは認定はまだ与えられていないが申請済みで認定進行中のビオデナミック造り。
葡萄も自然摂理に準じて正しく素直に成長して行く。
亜硫酸を含む全ての添加物は無い。
フィルターは掛けるが粗いメッシュで葡萄の旨味、ジューシーさは守られている。
木の樽は使用しない、オークの恩恵の力も必要が無いワイン。
マロラクティック発酵もしないので、ヒスタミンなどの副産も無く、
体にも完璧なワインだ。
※マロラクティック発酵は悪ではありません。
3世代が進化させてきたアズナー家
自根ガルナッチャの葡萄樹
パートナーとして完成されている
ボデガス・テンポレチーム
ワインは個々の人の手が加わり、個々のワインに仕上がっていく。
ワインには造り手のセンスや思い、スピリッツ、情熱などが入っていく飲み物だと思っている。
シンフォニーを飲んで、ワインに隠されたそれらが、ビデオレターや、ビデオミーティング、メールやレターなどにより、丁寧で正直で、ピュアなワインの奥底にあるものが見えて来た。
スペイン人は、この世で最高に温かい国民だと常々思っている。
情熱の国スペインとは良く言われているが、最も健康的で、明るく、人間味があり、心を通わせる根本を知り尽くした天才では無いかと考えさせらる。
3日前から仕込んだとされる歓迎の料理、空港や駅までの迎えの時の、見つけると名前を呼び、手を前に伸ばしながら、走って駆け寄って来てのいきなりの熱いハグ。
スタッフの家族も参加する夜の歓迎パーティー。
長いハグしながら言われる、「お前はもう家族だ。いつでもここに帰ってこい!」
お見送りの際の全員のハグ、最後のオーナーの長い長いハグ。
全てでは無いが、スペインのワイナリーを訪問すると多く、このような体験をする事になる。
ボデガス・テンポレはコロナ禍に見つけたワイナリーで、まだ訪れた事が無い。
だけど、ビデオレターで送られた収穫中の満面の笑顔で、キャピキャピ明るい挨拶、
ビデオミーティングでも、親切さや、輸出部長でありながら、ワイナリー全ての事を知り尽くした、
いかにもワイナリーを愛していると感じざるを得ない完璧な熟知度。
ワインメーカーとエノロジストからの自己紹介レターの謙虚で素直で誠実な文面。
ワインに込められたもの、
それは人間性そのもの!
笑顔
キャピキャピと明るくフレッシュ
誠実で正直で純粋
親切で感じる人の温もり
熱烈なワインへの愛情
目には見えない、プライスレスな多くの人間らしさが
このシンフォニーには、間違いなくある。
スペイン内戦や、戦争で荒廃した町、血のにじむような苦労、数々の困難にも遭遇して来ただろう。
今の彼ら3世代が進む道にはそんな悲壮感は微塵もなく
ただただ、健康的な人間らしく明るい未来に向けた、チームが完成している。
日本にばかりいると、時間に追われ、世知辛さを感じたりするが
そんな時、シンフォニーはピュアな人間性の大切さを思い起こさせてくれる。
日本でも、多くの企業は創業時色んな夢、理想を掲げた事だろう。我が社とて同じだ。
お金も確かに生きる上では大切だが、それ以前にもっと大切なものがそれぞれの会社には存在する。
創業者の初心。ここで生きる意味。私たちが、何かを忘れてしまったとしても、時には帰るべき忘れてはならない原点。
テンポレに感じるもの
「我々は人間性を磨くために生きている」
それは、一つの生きる理由になるのだと、教えられている気がする。
シンフォニーはこのワインに携わった多くの人間味あふれる人々の愛情やパッションによって造られた交響曲。
最高の音楽が人の心を満たしてくれるように
キラキラとした、このワインもまた、多くの人々の心を満たしていく事を代理店として願っている。