Lunaria
by Camillo Zulli,les riceys
生きている100%の自然ワイン物語
100%自然に委ねられた
ルナリアシリーズは全て古代の自然醸造方法のアンセストラル製法。
亜硫酸はもちろん、添加物は酵母すら添加しない葡萄100%のワイン。
プレパラシオンは勿論、自社飼育の羊のお尻からの落し物が微生物の豊かな土壌づくりに一役かっている。春には羊の毛を刈ってルナリアの紐を手作業で生産し、通常キャップシールに使われているプラスチックや薄いアルミの使用もせず、自社製の羊の自然ウール100%の紐で巻くだけのこだわりぶり。
デコルジュマンもドサージュもせず、酵母も使用せず、ノンマロ、ノンフィルターのままボトリング。
自然の気温のままで発酵温度も管理せずに、自分の酵母で自発的にお酒になり、自発的に安定していく。
寒くなり、気温が下がると酵母は活動を停止し、気温が上がれば活動を再開して行く。
酵母は発酵が終わっても活動を止めず、分解しながら酵素を発生させワインの味わいと安定度を高めていく。酒石酸の安定すら自然に委ねる。
スパークリングワインの場合、ルナリア葡萄は糖度、熟度が高く、自前の酵母も豊富に抱えているので、加工無しでアルコール12%前後、ガス圧力4気圧以上という驚異的なワインに自然に仕上がる。
メソード・シャルマーやメソード・シャンブノワ(瓶内二次発酵)の際に捕糖と酵母を添加して
やっとアルコール12度、4気圧を超えるスパークリングワインとは葡萄の次元が違う。
極限ワイン
通常のいかなるワインも亜硫酸が醸造中に副産され1リットル当たり30mg程度の亜硫酸は無添加ワインであっても検出される。
ルナリアワインを公的検査機関で分析に出すと、その亜硫酸量が微量すぎて検出不能として提出されている。
糖分もグラス1杯あたり0.02gとか0.03g等とほぼ無糖に近い。
それでいて、葡萄の甘みは感じるし、抜栓直後から時間と共にボディが膨らんでくる。
亜硫酸、糖分のほぼゼロのワインの怪奇さ、不思議さ、特異さを十分楽しませてくれる。
特に世界を一世風靡しているルナリア オレンジワインの抗酸化成分は通常の白ワインの6倍にもなりレスベラトロール等の人体には大きな好影響をもたらす成分も莫大だ。
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亜硫酸が検出されない
日本厚生省が認可するイタリアの公的検査機関の成分表
1行目はグルコース+フルクトース つまり糖分の検出
1リットルあたり0.3g、750mlでは0.225g、グラス1杯の糖分は0.03gとなる。
4行目はフリーSO2 醸造中に出る亜硫酸量リミットのℓあたり3mgを下回り検出不可、
7行目添加物の亜硫酸を加えた総亜硫酸量も同じく検出不可3mg以下としか表せない。
大がかりな異端特別性
カンティーナ・オルソーニャの
イタリア、いや世界でもビオディナミックワインでこれほど成功を収めたメーカーは無いだろう。
デメテール、ビオディナミック認定の畑はなんと360ヘクタール。
世界最大のしかも最も自然造りをしているメーカー。
アペニン山脈とアドリア海の間に位置するカンティーナ・オルソーニャは、ジュザッペ・ミコッツィ(Giuseppe Micozzi)社長とカミロ・ズッリ(Camillo Zulli)醸造責任者の求心力は凄まじく、1964年設立より450人の農家の信頼は岩より硬く、ビオディナミの研究においても第一人者と言える。
彼らの公表した書物は大量で全て理解するに何年も要するだろう、纏めると分厚い本になるだけの研究結果、自然の摂理に準じた自然農法と今となって正しいと証明されている理論や哲学、考え方、捉え方。
二人のカリスマ過ぎるリーダーと心から信じきる生産者の絆はそう易々と真似のできない領域だ。
だからみんなが一気に大群を成し、本物のビオディナミックに突き進んでこれた。
通常の組合とは全く異端でまるでワンマン企業のように飛びぬけた事を易々とまとめ成している。
イタリアでも特に人の手が加わっていない、アブルッツォ州北部に位置するマイェッラ国立公園と隣り合うカンティーナ・オルソーニャは2012年、Vinitaly でベスト ワイナリー イン イタリーに選ばれた。
カミロ・ズッリ醸造責任者
ルナリア葡萄生産者
ジュザッペ・ミコッツィ社長
ルナリアの
葡萄畑
葡萄の棚も異端でアブルッツォ北部の伝統的棚仕立て
「La Pergola Abruzzese」
ルナリアの葡萄は100%ラ・パーゴラ・アブルッツェーゼで造られた葡萄。
日本やリアスバイシャスでも見られる棚仕立て、強い風が吹く標高400mから450mの畑。
土からの湿度から離れ、風が通りやすく乾燥し、雑菌が繁殖しにくく、ほこりも付きにくい。
葉は太陽の光を浴びやすく、理想的な光合成が成され糖度、熟度が上がりやすい。
ルナリアの畑は
羊の住み家
プレパラシオン
羊の自然な土壌貢献
ルナリアの紐は羊さんの100%ウール
羊は自社で飼育
ウールの生産も手掛ける
一挙両得の自然経営
ワインはほぼ放置で自然に造られる
ルナリアの自然醸造理論
カミロ・ズッリ
※かなり専門的な文章です。
地球は、自然界に存在する元素を吸収し、代謝し、変換して、ユニークでかけがえのない栄養源となる。
複雑な分子の形にして返すことができる本物の生命体です。
私たちの足元には、脈動する巨大な生態系があります。
土壌の生命は植物の栄養にとって基本的なものであり、健康で肥沃な生きた土壌で自然に育つと、豊かな微生物で覆われた葡萄を得ることができます。葡萄畑の微生物が、セラーでの発酵を成功させるのです。
自然発酵のバイオダイナミックワインを得るためには、葡萄畑の健全な生息環境を維持することが不可欠です。
従来の殺菌剤を使用すると、酵母の働きが弱くなります。
酵母の個体群を弱め、本来の酵母以外の菌株を選択し、発酵をより困難にしてしまう。
バイオダイナミックワインのもう一つの重要な点は、テロワール(フランス語で「大地」の意)との結びつきです。
テロワールとは、「原産地の感覚」、「ユニークで再現性のない要素(植物、気候、風土)の組み合わせ」を意味します。
ある年の植物、気候、地質、土壌などの要因の組み合わせである。
ワインのオリジナリティや独自性は、その年の場所や気候条件、そしてワインが自由に表現できるという事実と密接に関係しています。
葡萄園とセラーの両方における反テロワールの介入によって独自のテロワールの全てを台無しにします。
ビオディナミの実践は、セラーでバイオテクノロジーや化学的物理的な補正を行わず、ワインを生み出す責任は全て自然に委ねます。
ルナリアワインの発酵は、外部酵母を加えず、土着酵母のみを使用します。
カミロ・ズッリ論
自然酵母がテロワールの最たる要素だ
外部酵母と化学は、アペラシオンの概念を破壊し、ワインとアペラシオンとを無関係にする。
テロワールが表現できなくなるのです。
自然発酵は、毎年自然が与えてくれるものと正確かつ正直に連動し、私たちは葡萄畑の強さと健康さに頼っています。
自然の葡萄は、セラーで容易によく発酵する微生物叢に覆われます。
酵母が熱に慣れているため、発酵の温度はコントロールしません。
(熟成中の温度は、しばしば35℃を超える)
葡萄は、完全なフェノール成熟で収穫されるように、糖度は、優れた自然なバランスを得るために十分である。
亜硫酸塩の含有量が少ないワイン、特に無添加のワインは、ワインを飲む人に不快感を与えない。
亜硫酸塩の含有量が少ないワイン、とりわけ無添加のワインは、頭でっかちになることはない。
ワインは、安定性のために保存料を加える必要がない。
葡萄は、発酵と保存と安定に必要な全ての要素をすでに持っており、時間の経過とともに自然に安定する。
ほとんどのテイスターは、透明度を品質や卓越性の保証と考え、「完璧なワイン」という誤った固定観念を作り上げましたが、これは不完全なものです。
極端なろ過は、微生物叢(酵母やバクテリア)に影響を与える。
無菌で化学的なワイン、そして生命力のないワインを造ってしまう。
微生物の役割は発酵の終了とともに終わるのではなく、少なくとも酵母にとっては、死後も生命が存在するのです。
アルコール発酵が終わると、酵母は次のことを始める。
酵素的な処理(自己分解)により、ワインに有機成分を放出し始めます。
この精製により、ワインの味わいと品質が向上します。
私たちは、ルナリア・アンセストラルのワインを "生きたワイン "と呼んでいます。
(無濾過、亜硫酸無添加)、それは万華鏡のような味わいだからです。
今日はあるアロマを示し、明日はまた違うアロマを示す。
生きているからこそ、常に進化を続けてるからです。
より美しく、より細いミネラル、より深い味わい、より幅広いフレーバーがあります。
ミネラル感があり、味に深みがあります。
白ワインのボトルの底に小さな結晶があるのは、そのワインが「寒さを感じた」ことを意味します。
ビオディナミでは、物理的(冷蔵)、化学的な処理は許されないため、自然な長期安定化に必要な要素(冬の寒さ)をすべてを利用します。
酒石酸の安定化も自然に委ねます。
生の搾りたてジュースが濁っている事と同じで、ワインの透明性の追求は本来の自然ワインの本質から離るものだ。
ルナリアは卵白やベントナイトを使用しない、いわゆる清澄もしない。
濾過もせず、ノンフィルターのままボトリングされる。
Ancestralとは、遠い過去にルーツを持つもので、古代フランス語の "ancestre "が語源です。
「遠い過去にさかのぼる」という意味です。
リムーから東に8kmフランス サン・ティレール修道院(Abbaye de Saint-Hilaire)でベネティクト会の僧侶(Benedictine monks)によって1531年に偶然に残糖からによる自然発酵をするワイン「ブリュット・デ・リストリア(brut de l'història)」が発見される。
シャンパーニュの源流と言われるアンセストラル、メソード・リュラルの発見である。
通常の白ワインを造り濾過しボトリングする際、昔の濾過技術は高度で無かったため酵母は濾過後も残る。
冬の間は酵母も眠っているが、熟成を経て、気温が上がると酵母が再活性し、残糖を食べて再醗酵する。
これがアンセストラルだ。
現代では、アンセストラルが出来上がってからデコルジュマンをするワイナリーもあるが
殆んどはデコルジュマンをしない為、発酵粕の澱を伴う。
ビオディナミック、
ルナティックの忠実な自然発酵。
アンセストラルの発祥
1月の満月は「ウルフムーン」と言い、極寒の真冬にオオカミの飢えた遠吠えが聞こえる時期。
2月の満月は「スノームーン」と言い、大雪になる時期。
3月の満月を「ワームムーン」と言い、名前のままのミミズが土から出てくる時期、冬眠からの目覚めを示している。
酵母もこの時期より目覚め、活発化して行く。
まさにビオディナミック=月齢と共に生きる自然のままの目覚めだ。
オレンジワインを語る
カミロ・ズッリ
白葡萄の場合、フラボノイドは黄橙色を呈し、強力な抗酸化作用があります。
その強力な抗酸化作用は、様々な熟成段階においてワインを保護することができる。
使用する葡萄の品種とマセラシオンの時間によって異なりますが、マセラシオンが長ければ長いほど、オレンジ色になります。
タンニンは葡萄の果皮や種に含まれるフェノール化合物であり、タンニンの主な働きは、保存です。
ワインを保護し、長持ちさせる、ポリフェノールとタンニンの放出は黒葡萄に比べて白葡萄に含まれる量が少ないため、その放出は限定的である。
しかし、マセラシオンが十分に長ければ、オレンジ色をしたワインになり、ポリフェノール、タンニンを大量に放出する。
マルヴァジアのような香り高いワインの場合、果皮の強いテルペン性芳香成分が非常に強く放出される。
ルナリア・アンセストラル "オレンジ"の果皮を使った発酵は、自然発酵のビオディナミワインにおいて非常に重要である。
亜硫酸塩を使用しないバイオダイナミックワインでは、果皮による発酵が非常に重要な役割を担う。
マセラシオンの間、果皮は酵母と栄養分を与え、自然発酵を促進する。
果皮と葡萄の種は、亜硫酸塩をしのぐ、亜硫酸塩を必要としない抗酸化物質でワインを豊かにする。
香り高く、骨格のしっかりした、余韻の長いワインができます。
特にマセラシオンが続いていくと、香り高いマルヴァジア独特の強い香りが得られます。
モスカートやマルヴァジアのような特別な風味を持つ香り高い葡萄だけが、本来のワインであるべきだと私は考えている。
マルヴァジアは、豊かで複雑なアロマを持ち、その全てがワインの中で優れた香りを放ちます。
テルペン(ローズアカシア、フリージア、ラベンダー、シトラス)、フルーティー(りんご、ピーチ、熟したアプリコット、トロピカルフルーツ)など豊かなアロマが特徴です。